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『留学少女』放送スタート…目まぐるしい市場変化の中で地位確立なるか

2019/07/08
『留学少女』放送スタート…目まぐるしい市場変化の中で地位確立なるか

『留学少女』とは?


5月23日から放送がスタートした、Mnetの新バラエティ番組。
この番組は、世界各国から集まった10人の少女たちが、美容やボーカル、ダンスなどのK-CULTUREを通して、韓国での留学生活の模様をお届けするリアリティー番組である。

『留学少女』放送スタート…目まぐるしい市場変化の中で地位確立なるか
(c)Mnet

参加者達の国籍はバラバラであり、アメリカ、ウクライナ、エジプト、スウェーデン&エストニア、タイ、ノルウェー、ロシア、ポーランド、日本から構成されている。

特に日本からの参加者である千葉恵里は、韓国で放送され人気を博した『PRODUCE48』に出演しており、デビューこそならなかったが、韓国内でも多くの視聴者から人気を得た。

放送前から熱い反応を見せていた『留学少女』であるが、第1話放送の視聴率は0.5%(AGBニールセン)。一般的なアイドルクループの単独リアリティレベルだが、かなり良い反応を見せている。
第1話放送直後に各種ポータルサイトでも検索ワード上位にランクインし、各種コミュニティ掲示板でも好評を博している。

放送開始と共に多くの関心を集めている『留学少女』だが話題の裏にはこんな話もある。

大きく揺れ動く音楽市場


Mnetは『留学少女』を制作する10年前に『対東京少女』という番組を制作している。
この『対東京少女』は『留学少女』と全く正反対の番組構成であり、韓国側が日本に留学に“送り出す”番組であった。

モーニング娘。の所属事務所として知られる芸能事務所アップフロントプロモーションとMnetがコラボし、オーディションで選抜された15人の韓国人少女たちの中からアップフロントプロモーションの研修生を選ぶという企画だった。

番組ではアップフロントプロモーション所属の日本人アイドル達が、自分たちの歌を歌う参加者にパフォーマンスのヒントを教え、参加者が日本に訪れて日本人ボイストレーナーからトレーニングも受けるという、今では想像もできない光景も見られた。

だが当時はそんな設定も不自然ではなかった。何故なら当時、アイドルという商品概念のメカは日本と認識されていたからである。

番組タイトルの『対東京少女』で、同じ発音の“東京”をあえて“トンギョン”と表記したのには理由がある。同音の単語“トンギョン(憧憬)”と意味を合わせたのだ。世界2位の音楽市場である日本進出は“トンギョン(憧れ)”に近いものであり、そのように日本でアイドルデビューをする機会を得るために『対大東京少女』には、約2,500人の志願者が集まった。そして、オーディションで選ばれた一人の合格者チャン・ダヨンは4年ほどの研修生生活を過ごしたが、最終的にデビューできず韓国に帰国。

そして、それから9年後の2018年、Mnetは日本の現役アイドルを韓国の練習生たちと競争させて、K-POPガールズグループを結成するという企画、『PRODUCE 48』を誕生させた。そこで選ばれて結成されたIZ*ONE(アイズワン)は日韓両国でデビューし、すぐに大々的な人気を獲得した。その人気は、日本でも多くの10代、20代の視聴者が衛星字幕放送を通じて番組を視聴したおかげである。そして『対東京少女』からちょうど10年目となる今年、ついにその正反対の立場であり、拡張番組である日本を含む全世界から、韓国に留学に来るという趣旨を持った『留学少女』が誕生したのだ。



この10年でガラっと変わった日本の音楽市場と韓国の音楽市場。
目まぐるしく変わる音楽業界の中で『留学少女』はどのような爪痕を残せるのか。
これからの放送動向に期待がかかる。