街角にある小さなレコード店。
いつもモーツァルトの曲ばかり聞いているレコード店主ヨンフン（キム・サンジュン）は、父（パク・グニョン）と2人家族だった。だが、母の死が父のせいであると思っているヨンフンは、父に冷たくあたっている。

誰にも心を開かず、近況も知らない初恋相手だけを待つヨンフン。モーツァルトの曲も、彼女のために準備したものだった。

一日の中で、彼が生きる喜びを感じる瞬間は、友人とコンサートの練習をしているときだけ。
幸せな家庭を築いた公務員セジン（ヤン・ジンソク）。
離婚後、一人で娘を育てているジニョン。
結婚が最高の課題であるホンチョル（チョン・ホグン）。

コンサート日が近づいてきて、ヨンフンは店に「従業員募集」の紙を貼った。それを見て訪ねてきた見慣れない女性ヨナ（パク・チニ）。ヨンフンは自身と全く違う彼女から、どこか安らぎを感じていた。ヨンフンの父は、ヨナを初めて見た時から可愛がり、ヨナもそんなヨンフンの父から家族の温かさを感じているのだった。

ある日、ヨンフンの初恋相手セヒ（ユ・ホジョン）が訪ねて来て、息子と夫の写真を見せてきた。待ち続けた彼の思いは水の泡となり、そんな彼を励まし心を開こうとするヨナ。
だがそのうち彼女の暗い過去が明らかとなり、ヨナは店を出てしまった…。

一方、コンサート会場として予約していた小劇場は工事に入ってしまい、さらにはヨンフンの父が倒れてしまう…挫折の念に駆られたヨンフンの前に、再びヨナが現れた。

彼女は父が大切にしていた写真集を見せてきた。父が行きたいと言っていた“散歩道”の写真がたくさん載っている写真集を見て、ヨンフンは自身が見ることのできなかった父の愛を悟る。
そうして心を開いたヨンフンに、コンサートのアイディアが浮かんだ。

「そうだ。これだ！」

自然と人間の間に、人と人の間に、本当の和解とつり合いのある、特別なコンサート…