あらすじ
郵便局職員のジョンヘ。職場から遠くない彼女の小さな家には、ホームショッピングで買った物の数々、アパートの花壇から拾ってきた子猫が彼女を待っている。
そして、それらは彼女だけの小さな世界となっていた。
誰も彼女のもとを訪れない、日曜日の午後。猫と遊び、ベランダから入ってくる子供たちの遊ぶ声を聞く時間が、ジョンヘは何より好きだった。
ジョンヘにとっての幼い頃といえば、片手に鉛筆、片手にたばこを持って絵を描く母の静かな姿と、幼いジョンヘとしては辛い記憶だけ。そして…自身の唯一の支えだった母の突然の死は、人生が彼女に与えた傷だった。
だが、その全てがもう遠く感じる記憶の片りんだと彼女は考えている。それでも記憶が心を襲ってきたときは、涙があふれてきて…。
そんな女性ジョンヘにある日、気持ちを揺さぶられる恋愛が訪れる。そしてついに勇気を出して相手に告白するジョンヘ。
「今日の夜、家に来て…一緒にご飯でもどうですか?」
徐々に始まる彼女の心の動揺…。
彼女は初めて感じる幸せだった。