あらすじ
A4用紙も買うお金がないですが、私は純粋小説を書く小説家です。
長編デビュー作『カフカに会った』は、世の人の“鍋敷き”となり、国民の食習慣改善に十分寄与しているようですが、本を出版してくれた出版社はつぶれ、日に日にハルクのようになっていく妻が怖く夜も眠れません。
少し前に、妻に連れていかれタクシー運転手にもなりましたが、人を轢いてしまったんです。なので、出版社から勧められていた代筆作家にでもなろうかと思ったのですが…。
その自叙伝の主人公である会長が、韓国最大組織の頭だったのです。どうりで、現金をたくさんくださるはずですよね。
もう後戻りはできません。トイレもお風呂も、作業部屋も、車も貸してくださり、部下までつけてくださいましたが、僕は嫌です。ミスを犯したらあの世行きですよね…。
…どうしたらいいのでしょうか?