あらすじ
チェ・ソンヒ(キム・レウォン)は大学在学中オーストラリアのフィルムアカデミーに編入、映画演出を専攻した。初めての短編映画が世界映画祭に入賞、周囲の注目を集め一躍嘱望された期待の新人として浮上した。
しかし映画監督として、勢いに乗った彼の人生に歯止めがかかった。きっかけ、それは恋人ヘスの死。事故はあっという間の出来事だった。運転していた自動車がトラックと衝突、自分だけ生き残り恋人は死んでしまったのだ。彼女の死後、一切の作業をやめ引きこもり3年目。自分でも耐えられず死ぬほど苦しんでいた時、奇妙な出来事が起こった。
死んだ恋人ヘスにそっくりな少女が現れたのだ。姿形だけが似ているだけの全くの他人だ。ただ他人というだけでなく180度反対だと言わざるを得ない。親切で優雅な彼女とは対極の、全身から野暮ったさが漂い無知な上に失礼極まりない。しかし何となく、そんな彼女から目が離せなくなっていた。
彼女の名はキム・ボクシル(チョン・リョウォン)。江原道太白山脈のとある奥地、小さな谷の村に住む娘。煉炭ガスの事故で知能が10歳程度に低下した母、生まれる前母を捨てた父。不遇な家庭事情に縛られ山里にうずめた青春。しかし常に強靭な生命力と明るい性格で颯爽と生きている彼女をみて、ソンヒはしだいに暗い過去から抜け出すことができるようになった。
しかし、彼女は死んだヘスの忘れ形見の妹だった。