あらすじ
“人には階級がある。しかもそれは、生まれながらに決まっている。両親の能力と富。全てはそこにかかっていて、一生その階級から抜け出すことはできない。あぁなんて不公平。実に、不公平…”
町中の人々からそんなつぶやきが聞こえてきそうな現代の韓国。その中を懸命に生きる、一人の女性がいる。
今の韓国社会に浸透する新造語「スプーン階級論」で例えると、彼女は正に「土の匙」だ。
元は「銀の匙をくわえて生まれる(裕福な家庭に生まれる)」という英語の慣用句を受けて作られたこの造語。スプーンの素材が貧富の差を示しており、財閥一族は「ダイヤモンドの匙」や「金の匙」、平均的な家庭は「ステンレスの匙」。そして、貧困家庭が「土の匙」。
「土」の彼女は、高い大学の授業料を払うため、連日のバイト生活、休学、貸付…あらゆる努力をして、遂に大学を卒業した。
大学のランクはそこそこ良い。単位も申し分なく、十分な能力も得た。更に誠実さと情熱で武装した彼女が夢見るのは、ひとつしかない。
「土」階級からの脱却!
「金」は無理だとしても、「銀」くらいは努力で掴めるはず。そう信じて今までやってきた。
就職活動に臨む彼女だったが、そこには予想できない難関が待っていた…!
どこまでもこの“地獄”の“ヘル(Hell)朝鮮”は、彼女を「土」から離さないのか…