★千年後には…
アニメ「冬のソナタ」放送開始記念イベントに引き続き、東京ドームにペ・ヨンジュンの家族(ファン)が集まった。
「より多くの人に深く韓国を知ってほしい」という思いから、ペ・ヨンジュンが取材・執筆を手がけた著書『韓国の美をたどる旅』。
9月30日、東京ドームは「韓国の美」を紹介する大イベントとなった。
『冬のソナタ』仕様になっていた東京ドームは、一日で韓国の「伝統」と「秋」を連想させるセットに変わっており、前日のイベントと同様に遠くまでステージの臨場感が伝わる大きなスクリーンが6台設置されていた。
開始時間の16時をまわると、ドームに韓国の伝統音楽が流れ、モニターにペ・ヨンジュンが書籍を出版するに至った思いが流れた。
出版記念記者会見でも、「日本の記者会見で韓国の名所はどこかと尋ねられて、答えられず恥ずかしい思いをした」と吐露したペ・ヨンジュン。
彼の惜しみない努力に温かい拍手が送られると、中央メインステージから黒のスーツをまとったペ・ヨンジュンが灯篭とともに登場した。
地響きのような拍手と歓声を受けて、ペ・ヨンジュンはうれしさのあまり声をあげて笑った。
ペ・ヨンジュン「アンニョンハセヨ、ペ・ヨンジュンです。1年間の長い旅を終えて、ここに辿りつきました。無事に帰ってきたことをお伝えできてうれしいです。ご協力いただいた多くの方々に感謝いたします。皆さんにお届けするするこの本には、韓国の美と旅を通した私の姿が込められています。韓国で生まれ育ちましたが、これまで知らなかった韓国の美しい風景を観て、いつからか忘れてしまっていた情熱が生き返ったようです。」
つづけてペ・ヨンジュンは、執筆中に取材した全羅北道(チョルラプット)の寺院を赴いたときの心情を語った。
ペ・ヨンジュン「(旅先で)言葉では説明できない気持ちが先立つこともあり、粛然としました。一時はその国で一番大きかった寺が、歳月が流れて今では跡地しか残っていませんでした。その場所で、千年後の私は、そしてこの場所はどう残るのだろうかと考えました。そのときにつづったものを皆さんにお聞かせしたいと思います。」
厳かな音楽がながれるなか、ペ・ヨンジュンは弥勒山(ミルクサン)ふもとで感じた思いを、ゆっくりと読み上げた。
静かな夜、月の下で観た風景と思い…ペ・ヨンジュンは最後に『目を閉じて千年前を思い描いてみたが、目を開けてみた風景と変わりがなかった。』、『私の夢も、千年後に残っていることを祈って…』と穏やかにしめくくった。
★東京ドームが韓国文化の祭典に!
ペ・ヨンジュンが一時退場すると、会場に韓国の伝統楽器の音が高々と響いた。
チャング、ケンガリ、チン、プクが織り成すハーモニー、韓国伝統芸能「プンムルノリ(農楽/サムルノリ)」の始まりだ。
鮮やかな衣装をまとった農楽隊とともに朝鮮時代の士民「ソンビ」2人も加わって、東京ドームはお祭りのようなムードに包まれた。
次に登場したのは、こちらも韓国の伝統楽器「伽耶琴(カヤグム)」。
美しい音色と農楽隊のダイナミックなパフォーマンスに、会場からは何度も拍手が上がった。
続けてヨハン・パッヘルベルの『カノン』を「伽耶琴」が奏で、それにあわせてビートボックス(ボイスパーカッション)演奏者とビーボーイが登場。名曲と現代音楽、そして韓国の伝統楽器が融合された見事なステージを見せつけて観客を圧倒させた。
韓国の伝統芸能と楽器で観客を朝鮮時代へと誘ったあと、お待ちかねのペ・ヨンジュンと宮本隆治アナウンサー、キム・テイアナウンサーが登場した。
宮本「チュルパン チュッカハンミダ(出版おめでとうございます)!」
相変わらず流ちょうな韓国語であいさつをして、宮本アナウンサーは昨日のイベントより来場者が多いと喜びを伝えた。
宮本「一年間いろいろな経験をなさったと思いますが、具体的にどんなことをなさったんですか?」
ペ・ヨンジュン「本当にたくさんのことを学びました。キムチを作ったり、お酒を造ったり、陶磁器を作ったり、漆工芸や茶道も学びました。とてもたくさんのことを学んだようです。」
キム「ただのガイドブックではなく、ペ・ヨンジュンさん本人が体験したいと思った理由は何ですか?」
ペ・ヨンジュン「初めは名所やおいしいお店を紹介しようと思っていました。ですが、韓国文化や情緒に理解が深まれば、より多くのものをご覧いただけるのではないかと思って、本を執筆することになりました。」
宮本アナウンサーが「必ず微笑んだあとに答えるんですね~。」と冗談を言うと、会場に大きな笑い声が響いた。
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