Q:キム・ジェウクさん、日本語の台詞をこなされるのに大変だったところもあったのではないかと思いますが、その点について一言お願いします。
キム・ジェウク「僕がこれまで俳優として活動しながら、ドラマだったり独立映画といった様々な作品に出演し、日本語で演じたことがないわけではありません。今回は『ナビジャム(蝶の眠り)』を除いてすべて日本語ですよね。ですが日本人が聞いても完璧だと思うような日本語を話さなくてはいけないというプレッシャーはありませんでした。韓国から留学に来たキャラクターだったので。むしろ演じることと日常で会話することがこんなにも違うんだということをすごく感じました。
これまでハリウッド俳優になったりアジアでも様々な言語で演じる役者さんが多くいますが、細かく見たときに彼らが母国語で演じる時と第2外国語、第3外国語で演じる時の微妙なトーンの違いを感じていました。それにはどんな違いがあるのだろうと考えたことがあったのですが、今回自分がやってみたら複雑な問題でした。言葉でどう説明したらよいのかわかりませんが(笑)、すごく難しかったです。自分のものにできていない状態でそのシーンを撮影すると、カメラに妙な感じにしか映らないため、自然にやろうとすごく努力しました。
寝る前に文をあんなにも繰り返し読んだのは初めてでした。ぶつぶつ言いながら繰り返し、準備しているうちに眠っていました。文学的、小説的な文が多い作品なので、知らなかった単語や文章を完成させていく方法を学びました。次に日本語で演じることがあったら、もっとうまくできると思います(笑)」
Q:中山美穂さんと再度共演できるとしたら、どんな役を演じたいですか?また、映画の中にご自身のアイディアが反映された台詞や物があれば教えてください。
キム・ジェウク「中山美穂さんとほかの役を演じるなら何があるでしょう、考えてもみなかったです(笑)。何でもできると思います。2人で一緒に泥棒もできるだろうし、多彩な演技ができる女優さんという印象なので、もう一度共演するのならメロはやったので違ったジャンルで違った共演ができたら面白そうだなと、今思いました(笑)。
あと、アイディアというよりも自然に作れたことだと思うのですが、僕たちがポスターで2人ソファベッドに横になって午後の日差しを浴びながら本を読んでいるシーンがあります。足を組んでいる僕の足の間から涼子の足が見えますが、僕がその足に自然と手を乗せています。監督はこれを現場では分からなかったようなのですが(笑)、後から発見してものすごく褒めてくださった部分だったので個人的に好きなシーンです」