あらすじ
5月9日の夜、オ・ミンジュという一人の女子高生が無残に殺害される。
彼女を殺害した容疑をかけられた7人は、テロ集団「クリムジャ(=影)」の7人に捕まえられて拷問を受ける。
クリムジャのメンバーは韓国の平凡な国民だった。
そんなメンバーたちは、権力に向かっていた怒りを容疑者7人にぶつけた。
彼らの正体はいったい何者か?
彼らの中であなたは誰だ?
殺害されたオ・ミンジュは誰か?
彼らはなぜ影になるほかなかったか?
自身の目で直接見て判断しろ!
[作意]
この映画は、私が暮らしている大韓民国に対する映画だ。
「私はやはり卑怯だ」ということをまず告白し、このシナリオを書いた。
私はこの地に住んで、毎日のように衝撃を受ける。
不正や腐敗も、成功すれば"能力"と言われる。
社会を憎んでもみたし、憎悪も感じたし、許しもしたし、空っぽにもなった。
映画の序盤で殺される女子高生の"オ・ミンジュ"は誰か?
この映画を見る人によって、それぞれの"オ・ミンジュ"がいるだろう。
それが何であっても、誰であっても、それぞれの"オ・ミンジュ"がいるからこそ、この映画を最後まで見ることが出来るのである。
そして結末に納得できたり、出来なかったりするだろう。
殺された気持ちがなければ、この映画を見る必要はない。
誰かがこの映画を理解してくれると信じて作った。
しかし、理解してくれなくてもどうにもできない。
それが"今"であって"私たち"なのだから。
2014年4月18日キム・ギドク