Q:オ・グァンロクさん、母と息子の話で父の姿はあまり見えませんが、出演された理由は何ですか?
オ・グァンロク「監督と出会って7年が経ちました。偶然『アシアナ国際短編映画祭』の閉幕式に行ったとき、監督の作った映画『約束』が大賞を受賞され、映画を観ました。その映画の響きがとても大きく、シルバーの鐘の音のように胸に残り、それからお互いに連絡をとりあっていました。いつか一緒に作品をしたいと思っていたので、2年前この作品に出会えたときは、嬉しかったです。
胸の奥深くに築いてきたこれまでのこと、秘密などを大切にしていけるような、この作品の落ち着いた感じが好きです。監督は美術学校を出ているので、映像へのこだわりが強く、僕の持つダメな習慣や動き、それと、目だけで表現するときにはその中に多くの感情を込めないようチェックしてくださり、楽しい撮影でした」
Q:フランスで活動されてきた監督との撮影で、何か違うと感じる点はありましたか?
チャン・ドンユン「監督が台本を書かれたからか、(監督の性向が)作品全体に溶け込んでいました。“フランスで勉強されて来たからかな”という考えはなかったです。ロングテイクで撮影されることが多く、役者の表情と感情をそのまま引き出そうとされたんだと思います。長い時間をかけてゆっくりと感情を築き上げていけたのでよかったです」
イ・ナヨン「台本を初めて読んだとき、監督が外国で勉強されたことなどとは別に、キャラクターの名前がなくても多くの物語がこめられていて、それでいてすごく淡白に、シックさまで存在している台本だと感じました。台詞や説明なくとも、感情と状況が心に訴えかけてきました。なので、さらに良い印象を受けました。
監督が『現在の場面では赤いカラーで』と言われた様に、カラーの面で照明や空間の雰囲気を作り出してくださり、これが監督のスタイルなんだと思えて面白かったです。その空間に入ると自然と感情移入でき、私が考えていたよりも空間が素敵で楽しく撮影しました(笑)」
オ・グァンロク「撮影前に監督の短編映画とドキュメンタリーを何作品か観ましたが、一貫するところがありました。他のジャンルをやられたらどう表現されるのか気になります。見慣れない、体に合わない服のようなものではなく、楽に撮影できました」
イ・ユジュン「フランスから来られたことはさておき、撮影場所や小物の一つ一つにパズルがあって、その中に僕が入り、自然に溶け込んでいくように撮影しました」
ソ・ヒョヌ「監督との撮影で変わっていたところがあったとすれば、相手をあんなにも長く見つめた事は今までなかったなと思ったことです。台詞の受け答えをしてからもしばらくは見つめあいます。言葉だけでなく、相手がこの空間で何を感じているのかを観察できる撮影の連続でした。フランスが関連づけているかは分かりませんが。監督との仕事の中で独特な部分でした」