今月5日、元KARA(カラ)のク・ハラに自殺説が浮上した。
SNSで広まったこの噂は、マスコミが取り上げるや一気に韓国中に広まった。結局デマと判明したが、情報源は謎のチラシだったという。
韓国芸能界に蔓延る“チラシ”とは一体何なのか?その被害についてまとめた。
チラシ=「証券街チラシ」
1990年代から韓国で活性化し始めた“チラシ”。「チュンクォンガ チラシ」(証券街チラシ)、「チュンクォンガ チョンボシ」(証券街情報誌)と呼ばれ、口頭で伝えられるものから文書化されたものまで、証券市場に流れる噂・裏情報の事を指す。
内容としては政財界・芸能界の噂、特に芸能人や政治家たちのスキャンダルを取り扱っている。これらの情報は公開が限定されたネットワークやメッセンジャーで共有され、事実である場合は高価で取引されるという話もある。このようなスキャンダルは、企業の株価に影響することもあるため、証券街があらかじめ情報を持っていて、そこから世間の注目を集めようという魂胆もあるようだ。ただし、いずれも情報の真偽や発信源は不明というのが怖いところ。
語源は日本語でも…
“チラシ”は元々日本語が韓国語化した単語のひとつで、意味も日本語と同様。
しかし現在では、日本での“広告”、“キャンペーン”、“クーポン”の印象とは違い、「一方的な主張が込められたもので客観性がなく、真偽不明なもの」の意味合いが強い。
「チラシ」の被害にあった有名人
■ク・ハラ自殺説
つい最近話題となった彼女は、睡眠障害と消化不良の治療で服用していた薬を飲み、体調が優れなくなったという。そのため、ソウルの某大学病院に通院し検査を受け、一時的に入院したのだが、これが「自殺を図った」という内容に急変していった。なお、現在彼女は退院している。
■キム・アジュン死亡説
映画『カンナさん大成功です!』やドラマ『医心伝心~脈あり!恋あり?~』に出演したキム・アジュンに、今年8月突如として死亡説が拡散した。情報源には名前が載っていたわけではなかったというが、そこにあった受賞歴や出演作から、誰もが彼女だと推測できたそうだ。その死亡説が出た当時、彼女は映画の衣装を試着しているところだったという。
■コン・ユ&チョン・ユミ結婚説
ドラマ『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』や『コーヒープリンス1号店』に出演した日本でも知名度のある俳優コン・ユと、映画『トガニ 幼き瞳の告発』や『新感染 ファイナル・エクスプレス』でコン・ユと共演経験のある女優チョン・ユミに今年1月、結婚説が浮上した。この情報には結婚式の日付や場所までも具体的に言及されたことでさらに注目を集めたが、デマであることを双方関係者が明らかにし、法的対処をとると発表していた。
メディアリテラシーの欠如が社会問題に
一度公開された情報は、真偽に関わらずインターネットを通じて急速に世間に広まる。最近では「SNSチラシ」という合成語も存在し、さらに情報の伝達が早まっている状況だ。
事実確認なしに「チラシ」を鵜呑みにするマスコミ、ネットユーザーのメディアリテラシーの欠如がこれまで以上に問題視され、韓国ではこの単語を使い『チラシ:危ない噂』というタイトルの映画も製作された。
心を病んで自殺してしまう芸能人も多いだけに、こういった情報源のデマを軽率に拡散することの重大さに気付き、情報を発信する際には最新の注意を払いたいものだ。